6回に打線が追いついたものの、終盤に入り、試合はこう着していた。そして8回、2死無走者から、リックが打席に向かった。マウンド上は、ソフトバンク5番手・大隣。この日の初対決だった。初球、ストレートをファール、2球目フォークを空振り。たちまち、カウント2−0と追い込まれる。しかし、3、4球目、ボールになるストレートとフォークをしっかり見逃し、カウントは2−2となった。
そして、5球目。落ちきれない変化球がど真ん中に。待ってましたとばかり、リックがフルスイングすると、打球はグングン伸びて、イーグルスファンで膨れ上がったレフトスタンド最前列に飛び込んだ。まさに、土壇場のひと振りで、試合をひっくり返した。
「感触は、グレートだったよ」と振り返ったリック。いつもは沈着冷静な男だが、珍しく、二塁から三塁に向かう途中、西俊児守備走塁コーチにガッツポーズ。「自分が打って、チームが勝てると思ったから、自然と出たよ」と笑顔を見せた。
ところが、9回表に2番手・有銘兼久が打たれて、試合は再逆転負け。リックの勝ち越し弾も空砲となってしまった。リックは「最近、勝っていなかったので、あれで勝てれば良かったんだけど…」と肩を落とした。
それでも、この日の一発は今シーズン7号。一昨年、昨年ともに4本塁打だっただけに、頼もしいパワーアップ。もちろん、この日もマルチ安打を記録するなど、打率も3割台を開幕からキープしている。「個人的には、これからも、いつも通りにやるだけだよ」とリック。「チームが勝てるように、頑張るだけ」と、気持ちを切り替えて引き上げた。











