試合後、首脳陣が口を揃えて指摘したのが、初回の攻撃だった。ダルビッシュは、立ち上がりが良くないタイプ。初回の失点率も高い。そんなダルビッシュの立ち上がりを捕らえ、先頭の渡辺直人が二塁打で出塁した。「ダルビッシュのストレートを見事に引っ張って、左翼線へ痛烈なライナー。ただでさえ不安がある立ち上がり。ダルビッシュも『今日はストレートが走っていないのかな?』と疑心暗鬼になったはず」。関川打撃コーチも、こう期待したチャンスが、いきなり訪れた。
ところが、続く2番に入った中村真人が、初球ボールの後、2球目、3球目とバントをファールして失敗した。4球目、右打ちを狙って強振したが空振り。これで、ダルビッシュは、立ち直ってしまった。その裏、日本ハム打線がバントを決めて走者を進め、適時打で先行した攻撃とは、あまりにも対照的だった。野村克也監督も「初回、二塁打で出たのに、中村が…」と渋い表情。関川コーチも「初回のチャンスのミスが痛かった。あれで、主導権を握られた」と振り返った攻撃だった。
4回に同点に追いついたものの、内野安打2本での1点。初回に失った試合の流れは、最後まで手にすることはなかった。関川コーチは「これから夏場になると、今日のような接戦が増える。それを確実に勝っていくには、今日のようなミス一つが、勝敗を左右することもある」と指摘した。
「少ないチャンスを確実にモノにせな…」。試合後、指揮官はこう口にすると、ため息をついた。コーチ陣も対策を練り、相手の好守にも阻まれたが、痛烈な当たりが出るなど結果も出た。それだけに、橋上秀樹ヘッドコーチは「初回、バントを決めて、点が取れていれば、試合の展開は違っていたはず。攻め切れなかっただけに痛かった」と悔やんでいた。










