土壇場に二転三転したこの日の試合、延長に突入したが、勝負の鍵を握っていたのは、リリーフ陣のマウンドだった。10回表、2死一塁。迎える打者は、長打率6割を超えるG.G.佐藤。一発が出れば、致命的な2点を奪われる場面。ここで、4番手・吉崎勝からタスキを受け取ったのが、川岸だった。
「自分はサイドスローなので、フォークは投げられないという固定観念があったけど、投げられるようになったのが大きい」。自身の成長をこう分析する川岸は、G.G.佐藤に対しても、真っ向勝負を挑む。初球ファール、2球目ストライクと、わずか2球で追い込むと、カウント2−1からの5球目、川岸が投じた内角低めの変化球に、G.G.佐藤のバットは空を切った。野村克也監督も「G.G.佐藤の三振、いいボールいってたね。ストンと落ちて。あんな球が放れるんだもん」と、驚きの表情を見せた1球だった。
「あの三振が大きかった」。10回のマウンドを無失点に切り抜けると、続く11回、最終12回をいずれも三者凡退に打ち取る完璧なリリーフを果たした。「10回が終わった時から、点が入れば勝ち星がつくと密かに思って、ニヤニヤしていた」という川岸。その思惑どおり、チームは12回裏、敵失による1点をもぎ取り、サヨナラ勝ちを収めた。
「嬉しくて泣きそうでした。頑張っていればいつかは、と思っていた。野球ができることに幸せを感じています」。自らの好リリーフが、およそ3年ぶりとなるプロ2勝目、イーグルス移籍後、初となる勝利を呼び込んだ。テスト入団後、2年目となるイーグルスでのシーズン。「どんな場面でも必死に投げて、もっともっと結果を出したい」。進化を求め続けるサイドスローに、勝利の女神が微笑んだ。












