この試合、ソフトバンク先発・新垣の前に、空振り三振、投ゴロ、遊ゴロ、右飛と、完全に抑え込まれた山崎武。「新垣に、やられまくり」と苦笑いで振り返った4打席だった。しかし、9回、2死二塁で回ってきた第5打席、3番手・柳瀬の投じた、フルカウントから6球目のストレートをセンター方向へ。打球は、バックスクリーン右のスタンドへ飛び込んだ。
「もう出ないかも知れない」。前日には、弱気な言葉も口をついた。32打席ぶりとなる、待望の一発に「やっとだな、という気持ちでダイヤモンドを回った」と山崎武。ホームを踏むと、小さなガッツポーズも飛び出した。「フォアボールを出したくない、というボールを拾えて良かった」としてやったりの表情。「監督にも『良かったな』と声を掛けてもらったし、チームメートがすごく喜んでくれた」と終始笑顔。野村監督も「心配していたけれど、良かったな」と肩を叩いた。
「9月に入って、体が動かない状態が続いて打てる気がしなかった」と苦しい胸のうちを明かした山崎武。「まぐれのホームランを重ねて、本数を重ねていきたいと思った」と苦笑した。それでも、この一撃で気持ちが吹っ切れたことは間違いない。「残り4試合、(通算)300号もあるし、地元で3試合あるので、そこでファンの皆さんにお礼に打ちたい」と仙台での一発を誓った。
21年目にして、本塁打は自己最高をマーク。さらに、この試合で108打点目を上げ、打点も自己最多を更新した。「(打点は)110台に乗せたいね」と意欲を見せたベテラン。もちろん「4位もマジック3なので狙いたい。それが1番の目標」とチームの目標も忘れていなかった。










