8回裏に鉄平が同点打を放つと、流れは一気にイーグルスに傾いた。9回裏、相手のミスも出て、チャンスは1死満塁と広がった。ここで、山崎武がゆっくりと打席に向かう。怖いのは併殺だけ。マウンドは大久保が投じた初球、ボールになるフォークを見送って0−1。そして2球目、スライダーをセンター方向にはじき返す。抜けたかと思われたが、ショート・後藤が逆シングルでキャッチした。「抜けると思いつつ、後藤が捕ったので、やばいと思った」と山崎武。二塁にトスして二塁はアウト。しかし、このトスしたボールが、ほんの少し逸れる。一塁に転送されたが、山崎武はすでに一塁を駆け抜けていた。試合後、「決まった時はホッとした」と振り返った。
「誰か他にヒーローいなかったの?」。お立ち台に上がると、こう叫んでスタンドを笑わせた山崎武。「若い頃は速かったんだけれど、もう足に元気がない。39歳だから」と頭をかいた。
今日はその足で先制点も奪っていた。4回の第2打席、右安で出塁すると、連打で満塁となり、山崎武は三進した。そして、打者・鉄平の時に平野佳が暴投。捕手は5メートル程、横へ逸らしただけだったが、山崎武が一気に本塁を突いた。好スタートで奪った先制点だった。
足の状態は「全力疾走出来ない」と話すほど良くない。それでも、最後の打席で打点1が記録された。これで打点は99。目標の100打点まであと1。タイトル争いもラストスパート。「せっかく、ここまで来たからね。獲れるものは獲りたい。打点、ホームランが増えれば、チームに貢献出来るし。大いに自分にプレッシャーをかけて、頑張っていきますよ」と気合を入れ直していた。










