その勝負では報徳学園に軍配が上がったが、昨夏の甲子園を経験した選手を8人残す大阪桐蔭の、“本領”が発揮されるのはこの大舞台ではないだろうか。特に、海を越えてプロスカウトの目が注がれる主砲の中田翔を軸とするダイナミック打線が見ものだ。秋の公式戦12試合でチーム本塁打が今大会参加校中最多の33本。2位の報徳学園の3倍という断トツぶりで、個人成績でも中田の11本をトップに、生島峰至が6本、那賀裕司が5本と、本塁打ベスト3を大阪桐蔭が独占する(3位は県和歌山商の福田勇馬と同数タイ)。1試合の平均得点9.75も今大会最高となる。
それほどの打撃力と比較すると投手力がやや劣ると見られる向きもあるが、層の厚さが強みだ。エースナンバーをつけるのはこれまた中田で、昨春に痛めた肘もほぼ完治し、甲子園の初マウンドへ闘志を燃やすが、秋の大会でもっとも多く場数を踏んだのは本格派左腕の石田大樹で、続いて右の那賀。必ずしも中田に無理をさせる必要はない。
一方の報徳学園は投攻守のハイレベルでの好バランスが魅力だ。今大会屈指の好投手・近田怜王は新2年生ながら内角をつく度胸のすわった投球を見せる。攻撃では、主将で昨秋から1番の竹田育央が柱となり、巧みな走塁を絡ませた隙のない打線で揺さぶるだろう。
両校が順当に勝ち上がれば準決勝で激突することになるが、そうはさせじと息巻く実力校がずらり。中でも、関東大会で4試合計54安打・37得点と強力打線を見せつけて優勝した千葉経大付(千葉)、140キロ台の速球と高速スライダーで昨夏の活躍が印象強い佐藤由規を擁する仙台育英(宮城)、四国大会準優勝の今治西(愛媛)は要注意だ。
もう一方のブロックで頭ひとつ抜けた感があるのは帝京(東京)だ。1試合平均得点は大阪桐蔭に僅差の9.67点。投手は、右本格派の大田阿斗里はもちろん、リリーフする左腕・垣ヶ原達也も頼りがいがある。
明治神宮大会を制した高知(高知)、中国大会優勝で今大会では最多21回のセンバツ出場を誇る広陵(広島)も忘れてはならない。しかし両校とも初戦が難関だ。高知は、5季連続出場の関西(岡山)が相手。広陵は秋の公式戦15試合で42盗塁を決めた機動力で、好投手・唐川侑己を打ち崩さなければならない。
そのほか、関東大会準優勝の佐野日大(栃木)は、同大会4試合で59安打という打力のみならず、秋の公式戦での1試合平均失策が出場校中最少の0.20という堅守を誇る。東海大会優勝の常葉菊川(静岡)や、俊足揃いで九州大会を制した伝統の熊本工(熊本)の進撃にも注目したい。










