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「ほとんどが負担減」は“サギ的大嘘” (ゲンダイネット)

 後期高齢者医療制度で、政府の詐欺的行為が明らかになった。舛添厚労相は「一般的に言うと(保険料が)相当多数の方が安くなる」と言っていたが、大嘘だった。許しがたいのは、この嘘が「見解の相違」などではなく、厚労省の狡猾な役人によって周到に準備された“計画的詐欺”だった疑いが濃いことだ。この問題で福田政権は吹っ飛ぶのではないか。

●どう考えても半分以上が負担増

 厚労省といえば、年金記録のゴマカシが記憶に新しいが、後期高齢者医療制度でも、とんでもない大嘘をついていた。後期高齢者医療制度は「夫婦世帯で年金収入520万円程度まで負担増にならない」と言ってきたのが、数字のマジックだったのだ。

 この問題を追及している民主党山井和則衆院議員がこう言う。

「国民健康保険の保険料と後期高齢者医療制度の保険料を比較する際、国保保険料を高めに見積もり、多くの人の保険料が安くなるかのような意図的な広報をしたのです」

 国保の保険料には、所得や資産等、さまざまな要因を組み合わせる3通りの算出方法がある。どれを採用するかは自治体に任されているが、政府は「4方式」(資産等4つの要因から保険料を算出する方法)と呼ばれる方法を採用している自治体での国保保険料を使って、後期高齢者制度移行後の保険料と比較した。この「4方式」こそがもっとも国保の保険料が高くなるからだ。例えば、厚生年金201万円の夫プラス基礎年金79万円の妻の場合、国保の保険料は全国平均だと月8400円だが「4方式」では月9200円になる。後期高齢者医療制度の保険料は平均8600円。「4方式」の自治体に住む高齢者ならば、確かに制度移行で保険料は安くなる。

●算出に恣意的な数字

「厚労省は4方式を採用している自治体が全体の7、8割あることを理由に、ほとんどの高齢者の負担が減るかのように説明してきましたが、ここにカラクリがあります。こうした自治体の96%が人口5万人以下の市町村なのです。つまり、自治体の数は多いが、人口は少ない。4方式自治体の被保険者の推計は2473万人で、全体の51.7%に過ぎません」(山井和則議員)

「4方式」でない自治体では課税所得がゼロの夫婦も負担増になる。さらに、75歳以上の夫は後期高齢者制度に移行したものの、74歳以下の妻は国民健康保険のままの場合、夫の負担は減っても妻の国保保険料が新たに発生する。夫婦トータルでは負担増になる。

 こうなると、高齢者医療制度になって負担減になるのは全体の半分以下だろう。

 厚労省は今になって、「他の方式でも算出してみる」とか言っているが、恣意的な数字で国民を欺こうとした確信犯がよく言う。政府は保険料増減の実態調査を迫られていて6月中旬には結果を発表することになっているが、多くの国民の負担増が明らかになれば、福田内閣はその時点でオシマイだ。

【2008年5月7日掲載記事】


[ 2008年5月10日10時00分 ]

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